蔵をリノベーション / 蔵宿 〖銅の夢〗あかがねのゆめ (蔵人新宇) / みどり市
みどり市大間々町にあります蔵人新宇様のcafe 蔵八に続き、別の蔵をリノベーションして、蔵宿をつくらせていただきました。
cafe 蔵八と同様、「 100年前の蔵を 次の100年につなぐ 」という店主様の想いを大切に。時の流れを感じる空間。もとの雰囲気や、たたずまいを大切にしたい。
できるだけ手を加えず、そのままの形をできるだけ残すということを意識しました。
一棟貸しの蔵宿。木造二階建て。一階にダイニングキッチンと、小上がりの和室。二階に客室が二部屋。お風呂、トイレが三ヶ所。蔵の重厚感、木のぬくもり、古き良き建具や家具たちが持っている雰囲気が相まって、とても素敵な空間が完成しました。
before
入り口。
入って右手には、格子の飾りとアンティーク家具。
左手には、床が大谷石のトイレ。
入り口正面には、もともとあった建具を使用。
入って目の前に、一枚板のカウンターがかっこいいダイニングキッチン。
小上がりの間接照明も雰囲気が出て、素敵です。
奥には、心落ち着く和室。
「畳で落語をしてもらって、それを聞きながらカウンターでみんなでお酒を飲めたりしたら最高だね」と、施主様が嬉しそうにお話ししてくださいました。
左手には、洗面脱衣所。
浴室の壁は、もともとあった石壁のまま。石と板張りのお風呂、風情があります。
床は、大谷石とはまた違った天然石。写真だと伝わらないのが残念ですが、キラキラ輝いて宝石のようです。
こちらの石壁も蔵のまま。漆喰の壁は塗りなおし、棚板を取り付けました。
階段下は、布団収納。昔の建具をそのまま使用しました。既存の建具を新しい枠に納めるのはとても難しく、技術が求められます。
左側の建具は、引き戸。右側の建具は、開き戸に。
階段を上がり、
板張り天井の客室。
キャンバスのような天窓。
洗面。
トイレ。
2階の床は、節無しの無垢材。
壁は、藁入りの塗料で塗りなおしました。
2階のもうひとつの部屋。
扉の木の枝の取っ手がおしゃれ。
こちらにも天窓が。
かわいい小部屋も。
天井・梁などは、そのままに。
枝の手すりもかわいい。
階段に映る扉の影も素敵です。
設計士から
「新しいものを使うと、どんどん使いたくなってしまう。完成時の見栄えはいいかもしれないけれど、10年20年30年経ったとき、新しいものは劣化してしまう。古いものは味が出る。だから新しいものはなるべく使わないように我慢するのが大変だった。葛藤でした。」
新しいものと古いものの融合は、難しい。難しいからこそ、違和感なく溶け込んだとき美しいのだと思いました。
あちこちにこだわりが詰まっている、贅沢な空間。おしゃれだけど、木のぬくもりと和の雰囲気でどこか懐かしく心落ち着く。
施主様に、「本当にいいものができた。めちゃくちゃ素敵。想像以上。」と嬉しいお言葉をいただきました。私たちも、新宇様の素敵な夢に携われてとても幸せです。
ゆったりとした時間をお過ごししたい方、ぜひ一度足を運んでみてください。